ファクタリングに関わらずどんな業界でも詐欺や詐欺まがいの行為を行う悪徳業者はいるものです。
ファクタリングで資金調達をしようとする経営者の方は資金調達を焦るあまり美味しい話に飛びついてしまうこともあるでしょう。
または、背に腹は代えられぬと怪しいことを承知で彼らの罠に嵌ってしまうケースもあるかもしれません。
会社や従業員を守るために限られた時間の中で資金繰りに奔走する会社経営者からお金を騙し取ろうとする悪徳業者には憤りを感じます。
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詐欺・悪徳業者とされる事業者の手口
経済産業省が後押しする形で今後益々広がりを見せるであろうファクタリング業界。
ファクタリング事業者の数もどんどん増えており、悪徳業者もちらほら見え隠れする状況になってきています。
詐欺・悪徳業者の手口
詐欺・悪徳業者は手数料を低めに設定して誘いこんだ上で最終的には手数料を引き上げるという手口を使います。
その手口は具体的にはこうです。
①手数料の安さで顧客を確保
②ギリギリの局面で難癖をつけ手数料を引き上げ
③更に保証料などの各種名目を差し引く
急ぎの場合など、取引先への通知をしない2社間ファクタリングが選ばれることが多いかと思います。
その場合にはどうしても手数料15%~25%のように少し高くなりがちです。
そこで非常に安い手数料を提示されれば、ついつい選んでしまいそうですが、のちのち後悔することになる可能性もあるということです。
詐欺・悪徳業者の見分け方
それではそんな被害にあわないために、どのように詐欺・悪徳業者を見分ければいいのか。
詐欺・悪徳業者には以下のような特徴があると言われています。
- 質問にすぐに答えられない
- 連絡は固定電話ではなく携帯電話を使用
- 面接・面談がない(会いたがらない)
- 面接が事務所ではなくカフェなど
- 審査に必要な書類が少ない
- 契約書がない・ 契約書の自社控え分を渡さない
- 口座情報を中々教えない・口座名が異なる
- 保証人の設定を求めてくる
- 担保の設定を要求する
それぞれ簡単に説明していきます。
質問にすぐに答えられない
新規参入してきた悪徳業者はファクタリング業界について詳しくなく、ファクタリングに関する知識が乏しい場合も。
質問に対してすぐに答えられなかったり、回答内容が曖昧だったりすることがあります。
連絡は固定電話ではなく携帯電話を使用
詐欺・悪徳業者であっても固定電話の番号を用意していないわけではありません。
クラウド転送サービスの普及によって固定電話を取得していますのでHP上には固定電話の番号が掲載されていたりします。
しかしその場合は利用料金が高いこともあり、携帯電話でのやり取りに移行することが多いようです。
営業マンが外出先にいるために携帯電話というのは考えられますが、業者側から携帯電話でのやり取りを中心にするよう要求されるようになった場合は注意をしたほうがよいでしょう。
面接・面談がない(会いたがらない)
ファクタリングでは多くの場合に面接・面談が実施されるはずです。
これは、利用者となる会社経営者(あなた)の方が誠実かどうかを確認する必要があるためです。
ファクタリングでは御社の財務状況は信用調査の対象とはなりませんが、2社間ファクタリングにおいては御社が売掛金の支払い先となるため、資金の流用・持ち逃げなどがないかどうかなどを面談で確認されるのです。
現在では一部事業者にて郵送契約が可能になっているファクタリングですが、特に理由もなく面談を省略するというのは少し怪しいかもしれません。
面接が事務所ではなくカフェなど
悪徳業者は自らの事務所の場所が特定されないように事務所での面談には消極的です。
面接が実施されたとしても、その場所がファクタリング事業者のオフィス事務所ではなくカフェなどで行われる場合は注意が必要と言えるでしょう。
審査に必要な書類が少ない
詐欺・悪徳業者は売掛金の買取手数料だけでなく、その他の方法で御社から金銭をむしり取ろうと画策してきます。
そのため審査はあってないようなもので非常に形骸化しており、審査が異様に緩すぎることがあるようです。
審査の必要書類が少ない=審査がしっかりと行われていない場合も要注意です。
契約書がない・ 契約書の自社控え分を渡さない
ファクタリングでは通常「売掛債権譲渡契約書」が作成されることになります。場合によっては「ファクタリング契約書」という名称のこともあるかもしれません。
日本の法律上、契約自体は口約束で締結可能とは言えど、この契約書を作成しないことは考えられません。
契約書がない、または契約書の御社控え分を渡さない事業者は悪徳業者の可能性が高いです。
口座情報を中々教えない・口座名が異なる
2社間ファクタリングでは御社が回収した売掛金をファクタリング事業者へ振込む必要があります。
しかし悪徳業者は口座を凍結される恐れを避けるために、口座情報を中々共有しないということが言われています。
また、昨今では口座開設も厳しくなっているため、新たな会社名義で口座が作れない悪徳業者も存在するようです。
口座名が業者名とは異なる場合には悪徳業者である可能性があると言えます。
保証人の設定を求めてくる
ファクタリングは売掛債権の買い取りをすることで早期に現金化する仕組みです。
融資ではないので保証人の設定は行いません。この場合は悪徳業者である可能性が非常に高いです。
担保の設定を要求する
保証人の設定と同様のことがここでも当てはまります。
融資ではないので担保の設定を要求することはありません。
ファクタリングにおける闇金業者の存在
実はファクタリング業界の悪徳業者には闇金業者も多く紛れ込んでいます。
闇金業者と関わりを持ってしまった場合、金銭的なダメージではなく、反社会勢力からの融資を受けているということで今後の御社の取引先との関係にも悪影響を当たれることが考えられます。
闇金業者には絶対に引っかかることのないように以下も確認していただけたらと思います。
ファクタリングに闇金業者が増えている理由
ファクタリングで悪徳業者とされる多くは闇金業者です。
では何故ヤミ金業者がファクタリング業界へ進出しているのかと言うと、ファクタリングは許認可無しで始められる事業だからです。
ファクタリングは融資ではなく、企業が取引先に持っている売掛金という名の債権(権利)を買い取るだけにすぎません。
ですのがファクタリング事業者は「貸金業者」に該当せず、国や地方公共団体から許認可を取る必要はありません。
闇金業者たちは元々貸金業者としての許認可など有しておらず、また近年の警察や弁護士の積極的な闇金事件への介入によって闇金業が苦しくなってきていると言います。
そこで、参入障壁が低く資金を用意することが出来れば始められるファクタリングという仕組みに目を付けたわけです。
困っている会社経営者の弱みに付け込む闇金業者の悪行は絶対に許せません。経営者の皆様はそのような被害にあわないようにその手口と見分け方をしっかり理解しておきましょう。
悪徳業者(闇金業者)の手口
それでは実際に悪徳業者がどんな手口でファクタリングを隠れ蓑に悪事を行っているかを確認しましょう。
闇金業者の手口には
①ファクタリングを装った手口
②ファクタリングと絡めた手口
の2つがあり、大きく分けて3つの手法が確認されています。
- 売掛金を債権譲渡ではなく担保として利用
- 初回はファクタリングだが徐々に融資の提案に変わる
- ファクタリング後の売掛金回収時に貸し付け
売掛金を債権譲渡ではなく担保として利用
この手口はファクタリングを装ったパターンであり、そもそもファクタリングではありません。
というのも、ファクタリングでは御社の持つ売掛金をファクタリング事業者へ債権譲渡、つまり売却します。
ところがこの手口では債権譲渡ではなく売掛金を担保として法定金利の何十倍もの金利で金銭を貸付けてきます。
御社の代表者や役員を連帯保証人にしようとする場合も多いでしょう。
売掛金を買い取るのではなく、担保として高金利で資金を貸し出しする正に闇金業者の手口ですね。
初回はファクタリングだが徐々に融資の提案に変わる
この手口の場合、初回の取引では御社の持っている売掛債権を買い取りますのでファクタリング事業者として怪しいところはありません。
しかしその後にファクタリング手数料よりも金利が有利だとして融資の提案がなされます。
融資金の返済が厳しくなると最初は返済猶予などの優しい対応をしてきますが、実は元金を減らさずに金利を常に搾り取ろうとする狙いがあります。
気づいてみると徐々に法外な金利へと変わっており、最終的には首が回らなくなるという仕組みです。
ファクタリング後の売掛金回収時に貸し付け
こちらも当初はファクタリングによる売掛債権の買い取りを行います。
2社間ファクタリングの場合には
①御社が売掛先から入金を受ける
②入金額をファクタリング事業者へ振り込む
という流れを取りますが、ファクタリング事業者への振込の際に「資金繰りが厳しいでしょうから今回は一部入金だけでいいですよ」と言われます。
資金繰りに悩んでいる経営者の方からすると一見親切な対応に見えますが、裏ではやはり金利の搾取を画策しているのです。
当初はそこまで高金利ではないものの、返済が滞ると徐々に金利を高めていき、毎月の返済は金利分を返すのがやっとで元金が一切減っていかないという辛い状況が待っています。
ファクタリング利用者側が詐欺を働くケースも
ここまではファクタリング事業者の側の話でしたが、中にはファクタリングを利用する企業・個人事業主の側が詐欺を働くケースも報告されています。
どのような詐欺行為かと言うと、ズバリ
売掛債権の二重譲渡
です。
1つの売掛債権を複数のファクタリング事業者へと売却し、100万円の売掛金で200万円・300万円を超える現金を確保し、最終的には行方をくらませるというケースもあるようです。
債権の二重譲渡は詐欺罪に該当しますので、追い詰められた状況であっても決して行ってはいけません。
まとめ
ファクタリングを取り巻く詐欺・悪徳業者には闇金業者が暗躍していることを見てきました。
こういった輩が存在することでファクタリング制度そのものへの信頼も揺るがしかねませんよね。
真っ当なファクタリング事業者や資金繰りに悩む経営者にとってマイナスでしかありません。
経営者の皆様としても、時間がなく焦るお気持ちは重々承知しておりますが、少しでも怪しいと感じたら一度慎重になっていただけたらと思います。
それが大事な会社および従業員を守ることにも繋がるはずです。