ファクタリングはなぜ売掛先が倒産しても返済しなくてよいのか?

ファクタリングはなぜ売掛先が倒産しても返済しなくてよいのか?

ファクタリングでは、なぜ買い取ってもらった売掛債権の売掛先が倒産しても返済しなくてもよいのか?

ファクタリングについて調べている方、ファクタリングの利用を検討中の方でこのような疑問を持っている方は少なくないようです。

利用する側にとってあまりに上手い話だからファクタリングを怪しく感じてしまう原因でもあるかもしれません。

しかし仕組みを理解すれば納得するはずですし、実際利用者にとって上手すぎる話でも何でもありませんので知識として知っておいて損はないと思います。

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売掛先が倒産しても利用者は弁済しなくてもいい?

2社間ファクタリング
前提として、ファクタリングによって売掛債権を売却して事業資金の調達をした場合というのは

  1. 売掛金が発生したけど支払い時期はまだ遠い
  2. ファクタリング会社が売掛金を買い取って現金化
  3. この売掛金の支払い時期が来たら、利用者が取引先から支払いを受ける
  4. 本来受け取るべきであるファクタリング会社へ渡す

となります。

これが本来の流れなわけですが、売掛先が倒産した等の理由でファクタリング会社が資金回収できなくなる場合があります。

この場合に、

  • ファクタリングを利用した会社が責任を取って代わりに弁済しなければいけないのか?
  • それともファクタリング会社が何も受け取れずただただ損をしてしまうのか?

というと、後者なんですね。すなわち、ファクタリング会社はこのケースでは資金回収が出来ず、大きな損を被ることになります。

利用者からすれば、運よく先に売却しておいたことで本来自分が被害を受けるはずだった取引先の倒産からのダメージが軽減できることになります。

なぜ売掛先が倒産しても返済しなくてもよいのか?

最初にどういった法的な根拠があり「売掛先が倒産してもファクタリング利用企業が弁済する必要はない」となっているのかを確認します。

その後に実際この制度はどのような仕組みで運用・実現されているのかについて見ていきます。

法的な根拠:ノンリコース契約

ノンリコース契約

まず、こういった仕組みのことをノンリコース契約と言います。ノンリコース契約=償還請求権の無い契約という意味です。

この契約形態によって、ファクタリング会社は最終的に売掛先企業が倒産してしまったことで資金回収が出来なくなっても、ファクタリングを利用した企業に代わりに支払えとは言えないことになります。

ファクタリング業界では売掛債権の買い取りはノンリコース契約であることが通常ですので、ファクタリング=ノンリコース契約と言っても過言ではないのですが

残念なことに悪徳業者の類もいますので、何の疑いもなく契約するのではなく必ずノンリコース契約であることを確認するようにしたいところです。

なぜノンリコース契約でやっていけるのか?

なぜノンリコース契約でやっていけるのか?

さて、ファクタリング契約はノンリコース契約であることがほとんどだと理解したとして、次に感じることは

「なぜファクタリング会社はノンリコース契約でやっていけるのか?ファクタリング業者がそんなリスクを取っている理由が理解できないと腑に落ちない。」

ということかと思います。

ファクタリングがノンリコース契約となっている起源というのは分かりませんが、ノンリコース契約が多く見られる欧米で昔から利用されていた制度ですので、そういったところから引き継がれているのではないかと思われます。

ではノンリコース契約という極めて業者側に不利な契約でファクタリング会社は大丈夫なのかという点を考えてみましょう。

ファクタリング会社はそのリスクも含めて手数料を設定している

手数料ファクタリング会社はそのリスクも含めて手数料を設定している

ズバリ、ファクタリング会社がノンリコース契約でも事業が成り立っている理由は、売掛金が回収できないリスク・可能性まで考慮した上で手数料を設定しているからです。

ファクタリングの審査において着目されるのは利用会社よりも売掛先企業の信用力だということはご存知かと思います。

売掛先が倒産するかもしれないというリスクの存在が前提としてあり、そのリスクの大小を出来る限り正確に把握した上でリスクに合った手数料を設定しているのです。

ですので、売掛先の倒産リスクが高ければ利用者の経営する企業の業績が良かろうとも手数料は高く設定されてしまいます。

まとめ:売掛先が倒産しても返済しなくてもよい仕組み

まとめ

ファクタリングはノンリコース契約という「もしもの時に利用者が代わりに弁済しろという償還請求が出来ない契約」になっています。

そしてそんなリスクを負ってしまうファクタリング企業は手数料のパーセンテージを変更することでそういった可能性に対応しているのでした。

ファクタリングの手数料はなぜ2%~20%のように幅が持たれて設定されているのかと不思議に思った方もいることだと思います。

その時々で手数料率が変更されるのは不可解だと感じた方がいるかもしれませんが、業者側としても背負うリスクに見合った手数料を適切に設定することが求められているということを理解いただけたのではないかと思います。

ただしそういった仕組みに乗じて無用に手数料が引き上げられることがあってはいけません。ですので利用者としては優良ファクタリング企業を見極めて選ぶことが求められています。

優良ファクタリング会社一覧